1982年2月に発生したホテルニュージャパンの火災事故は33人の死者を出し当時大きなニュースになりました。
社長の横井英樹は利益優先で防火管理を怠っていたとして逮捕されましたが、その後どうなったのでしょうか。
ホテルニュージャパンの社長・横井英樹のその後や生い立ちについて調べましたのでご紹介します。
ホテルニュージャパンの火災事故とは？
1982年2月、東京都千代田区永田町にあるホテルニュージャパンの一室で火災が発生しました。
出荷原因は9階に宿泊していたイギリス人男性によるタバコの不始末で、午前3時16分過ぎにベッドに着火し燃え広がっています（イギリス人男性は亡くなっています）。
今では消防法で火災報知器やスプリンクラーの常備が義務付けられていますが、当時非常ベルは作動せず、消化設備も配管がつながっておらず使えなかったそうです。
そのため他の宿泊客は気づかず、最初に発見したのは仮眠を取ろうとしたフロント係でしたが、社長からの叱責を恐れて通報に20分かかっています。
最初に通報したのは通りすがりのタクシー運転手で、消防隊が駆けつけた時には9階がすでに炎に包まれ、逃げ場を失った13人もの人が飛び降りて亡くなりました。
横井英樹の対応がひどい
事故発生を知った横井英樹は人命救助ではなく、ホテルから高級家具の持ち出しを優先させていました。
また事故後の会見で、横井は
悪いのは火元となった宿泊客
被害が9階、10階のみで火災を止められたのは不幸中の幸い
と話し、他人事のような対応にバッシングを受けました。
さらに事件当時、レスキューに当たった高野隊長が警備員に9階への非常階段を教えて欲しいと聞いても「今、社長と電話中だ」とこちらも人命救助を無視しています。
このやりとりを口止めしようと横井は高野さんに賄賂をもちかけたそうですが、高野さんに
高野隊長どれだけ多くの人が亡くなったか分かっているのか？それを持って出ていけ！
と返されたといいます。
横井英樹のその後は
横井英樹は事件後にニュージャパンの営業廃止を受けていますが、ヨーロッパの古城を15か所買うなど派手にやっていました。
しかし1993年に業務上過失致死罪で禁錮3年の実刑判決が最高裁で確定されています。
1994年に八王子医療刑務所に服役するも、2年後には仮釈放になり1997年には出所しています。
田園調布の駅前の一等地に豪邸を構えていましたが、資産が減り売却し、出所後は弟夫婦と暮らしていました。
1998年11月30日、急に気分が悪くなり昏睡状態に陥り、救急車で運ばれましたが虚血性心疾患で85歳で亡くなっています。
横井英樹の生い立ちは壮絶だった
横井英樹は1913年7月1日愛知県稲沢市に農家の次男として生まれています。
出生したときの名前は祖母が「千」が好きで千一と名付けられましたが、横井は千一が好きでなかったため上京後に英樹と改名しています。
父親は酒乱で暴力を振るい、「学校は行かなくていい」と千一の教科書を引きちぎったりする人だったそうで、家はとても貧しかったようです。
母親が機織りの仕事を必死にしてきたため、千一も小学生のころから働いていたところを近所の人が不憫に思い、90坪の土地を貸しています。
千一はその土地にじゃがいもや白菜を作って近所に売って手にしたお金で母親においしいものを買っていました。
15歳で上京するとメリヤス問屋「渡辺商会」に奉公し、17歳で独立して「横井商店」を開業しています。
第二次世界大戦で軍需品の製造に専念したことが功を奏しボロ儲けすると、横井は不動産業に乗り出しています。
横井英樹の家族構成
横井英樹には妻・路子との間に3人の子供がおり、その他愛人との間にアーティストの中原キイ子さんがいます。
横井の長男・邦彦は横井が創立した東洋不動産の後を継ぎ、社長に就任しています。
1969年に女優の星由里子とホテルニュージャパンで結婚式をあげるも、80日で離婚し話題となっています。
しかし2008年に65歳で自殺しています（自殺の理由は不明）。
横井の長女・智津子は建築家と結婚し、ラッパーのZeebraが生まれています。
Zeebraはニュージャパン火災当時、慶應義塾幼稚舎にいましたが事故後に激しいいじめを受けて転校しています。
2019年にXで横井についてポストしています。
祖父が取り返しのつかない事をしたのは自分の運命です。ご迷惑を掛けた方には申し訳ない気持ちしかありません。自分はその分少しでも善行が出来ればと思って生きてます。
— Zeebra (@zeebrathedaddy) June 24, 2019
横井の次男の裕彦はホテルニュージャパンや日本産業の社長も務めています。
しかし日本産業は2019年に破産しています。
横井の行動が子供達や孫にも悪い影響を受けているようですね。
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